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ワルモノの「実は…」ヌートリア編

(R6.3.29配信)

他の生き物や生き物たちのすみかに大きなえいきょうをあたえることで知られている外来生物(外来種(がいらいしゅ))。

しかし、もともとすんでいた場所では、かれらも“在来生物(ざいらいせいぶつ)”でした。

人によって運ばれたり、荷物についてきてしまったりして移動(いどう)しただけ。

そんな元・在来生物たちは、新しい場所で外来生物となり、一部は天敵てんてきがいないことでどんどん数をやして勢力せいりょくを強めた結果けっか、いつしか“ワルモノ”になってしまいました。

今回の記事では、外来生物ヌートリアの「実は…」をしょうかいします!

 

ヌートリアはどんな生き物?

アライグマのイメージ図
アライグマのイメージ図

分類ぶんるい

哺乳綱齧歯目(ほにゅうこうげっしもく)(ネズミ目)ヌートリア科ヌートリア ぞく(南アメリカ原産)

 

名前なまえ由来ゆらい

ヌートリア「Nutria」は、スペイン語でカワウソを意味いみします。南米に移住いじゅうしたスペイン人がヌートリアをカワウソと見間違まちがえたことから、そう呼ばれるようになったそうです。

 

大きさ

雌雄しゆうとも、体長40cm~60cmでしっぽの長さは35cm~40cmほど、体重は 4~5kgが標準的ひょうじゅんてきなヌートリアの大きさで、大きいものだと8㎏ほどになるとか。

 

じゅ命

野生のものは、2年程度ていどと言われていますが、環境かんきょうにもよって10年も生きる個体もいるそうです。

 

見られる場所ばしょ

およぎが得意とくい河川かせんやため池などの水辺で生息せいそくしています。

 

ヌートリアの特徴 とくちょう

前歯が大きくオレンジ色でとても頑丈がんじょうです。その頑丈な歯により草木のかたい部分をかじることができるようです。また後ろ足に水かきがついていておよぎが得意とくいな動物です。

ヌートリアは、夜行性やこうせいですが、昼間にも行動します。何を食べているかというと、主に植物しょくぶつくきなどを好んで食べている草食動物そうしょくどうぶつですが、貝や甲殻類こうかくるいも食べることがあるそうです。

決まった繁殖期はんしょくきはなくて、年に2~3回の出産しゅっさんするようで、1回につき平均へいきん5~6匹の子供を生むそうです。うまれた子供は半年ほどで繁殖可能かのうになりますので、このたくましすぎる繁殖力でどんどん数を増やし続けいているのです。

 

なんでやってきたの?

 

だい次世界大戦じせかいたいせんごろにかけて毛皮用(主に軍用)で、また一説では食用しょくようとして飼育しいくされていたものが、逃げ出したり、身勝手みがってに放たれたりして野生化やせいかしてしまったといわれています。

ヌートリアは水辺みずべの環境を移動いどう生息域せいそくいき拡大かくだいして、近畿圏きんきけんでは、大阪・兵庫ひょうご京都きょうとなどで見られるようになりました。

 

ヌートリアは食べることができる?

前述ぜんじゅつで「一説いっせつでは食用しょくようとして持ち込まれ、飼育されていた」とありましたが、ヌートリアは食べることができるのでしょうか。

皆さんの中には、ネズミの仲間なかまと言うことで、「食べるのはちょっと」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

中国ちゅうごくでは、野生動物のお肉(ジビエ)としてヌートリアを食べることがあるようです。

また、あまり耳にしませんが、日本でもジビエとしてヌートリアを食べることもあるようで、鶏肉とりにくのようにピンク色でやわらかい肉質にくしつだとか。

料理りょうりの方法は、いため物、げ物が主流しゅりゅうで、においもそんなに無くて思ったより美味おい美味しいようです。どんな味かと言うと、ウサギやイノシシの肉によく似ているそうですよ

 

最近は、猟師りょうしなどが、とってこられた野生動物のお肉(ジビエ)をネットで販売はんばいされていますよね。

クマ肉、鹿しか肉、めずらしいところではヌートリアの肉も販売されていますので、機械きかいがあれば皆さんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

ヌートリアの被害ひがいは・・・?

ヌートリアは水辺に生息するため農作物のうさくぶつの被害のひとつとして、いねの被害があげられます。若い苗ほど柔らかく食べられやすいようで、令和の米騒動といわれている昨今、農家さんからも被害の悲鳴ひめいが聞こえてきそうです。その他でも、レンコン・ニンジン・キャベツ等の野菜も好んで食べるので、日本でも農作物への被害が拡大傾向にあるようです。堺市でも、サツマイモを掘り返して食べられてしまうなどの被害報告もありました。

また、ヌートリアは畦道あぜみち巣穴すあなって住処すみかにすることもあり、それにより畦道がこわれたりすることもあるようです。

 

 

でもやっぱり日本ではワルモノ

 

外来生物は、その場所にもともとすんでいた生き物たち(在来生物(ざいらいせいぶつ))を食べたり、在来生物のすみかをうばったりします。

 

その中でも、たぐいまれなる繫殖力を持ち、水辺で生活被害(ひがい)や農業被害をもたらすヌートリアは特定(とくてい)外来生物に指定されています。

 

飼育(しいく)保管(ほかん)・運ぱん・輸入(ゆにゅう)販売(はんばい)譲渡(じょうと)・野外に放つことなどが原則(げんそく)として禁止(きんし)されており、ペットにもできません。

 

ヌートリアに(つみ)はありませんが、それでもわたしたちの生活・日本の生態系(せいたいけい)を守っていくために、行動していかなければならないのかもしれません。

 

作成:ヘラオオ85

 


 

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