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ちょうちょの道をたどると、森から海までつながってる!?

(R7.7.4配信)

~堺の自然(しぜん)と生きものの「ヒミツの地図」を作ったよ~

2024年の秋、京都の会社「サンリット・シードリングス」さんといっしょに、「堺にどんな生きものがすんでいるの?」「どこがすみやすいの?」を調べる研究をしました。

この取り組みは、新しいチャレンジをする企業(きぎょう)をおうえんする「堺市スタートアップ実証(じっしょう)推進(すいしん)事業」として行われました。

 

地図にまとめてみたら、すごいことがわかった!

 

生息地ポテンシャルマップってなに?

研究の成果(せいか)として森や公園の場所と、そこにすんでいる生きものたちの情報(じょうほう)を地図にまとめました。

この地図を「生息地ポテンシャルマップ」といいます。

「ポテンシャル」には「潜在(せんざい)能力(のうりょく)(まだ見えないすごい力)」や「可能性(かのうせい)(こうなるかもしれない)」という意味があります。

生息地ポテンシャルマップとは堺市のどこで生き物がたくさんすんでいるか、すんでいるかもしれないかを目に見えるようにしたものなのです。

ここからはこのポテンシャルマップの見方をしょうかいします。

生息地ポテンシャルマップ

 

 

 

チョウの道をたどってみると・・・

地図の緑色の部分は緑が多く、いろんな生き物がすんでいるスポットです。

南(下)の方では南部(なんぶ)丘陵(きゅうりょう)とよばれる里地・里山が、北(上)の方では大仙(だいせん)公園や、大泉(おおいずみ)緑地といった大きな公園が緑色になっています。

そこから黄色い線があみのように出ていますが、これは身近な生き物であるチョウが移動(いどう)できるところを見えるようにしたものです。

チョウが一度に()べる長さはおよそ400メートルといわれています。

この長さを目安に、住宅地(じゅうたくち)や都市部の公園、小さな緑地を少しずつたどってみましょう。

すると、森から海の近くまで、緑のつながりができていることがわかりました。

この線はまちなかにある小さな緑地を通って最後(さいご)には海辺(うみべ)まで(つづ)いています。

つまり、町の中を少しずつ移動しながら、チョウなどの生きものが森から海まで旅をするように移動できる可能性(かのうせい)がある、ということです。

 

線がたくさんあるといいの?

下のほうが緑で上のほうが白い

 

この地図ではたくさん線があるところと、あまり線がないところがありますね。

そのちがいについて考えてみましょう。

 

線がたくさんあるということは道がたくさんあるのと同じでいろんなところに移動(いどう)できます。

少ないということは、決まったところにしか移動できません。

少ないのと多いのでは多いほうがいいということです。

 

ただ、大事なことは少なくても線があって、つながっているということなのです。

道がなくなると買い物に行ったり、学校にいったりすることができなくなりますよね。

生き物も同じで、この線が切れてしまうことは生きていけなくなることにつながるかもしれないのです。

 

小さな緑地がとっても大事!

線がつながるポイントが大事!

この地図では北西(左上)の方にいくにつれ線が少なくなっていることが分かります。

堺の北西というと、堺区や西区になりますが、このあたりは緑地が少ないということが分かります。

少ないながらもいくつかのポイントで、線がつながっていますよね。

もし、このポイントがなくなればどうなるでしょうか。

それはこの線がなくなってしまうことにつながります。

生き物は自由に移動(いどう)することができなくなり、もしかすると、食べ物がなくなったりして生きていくことができなくなるかもしれません。

また、地図のまん中あたりは線がたくさんありますが、このうちのいくつかがもしなくなれば一気に線はへってしまうでしょう。

小さな緑地でも生き物たちのためにはとても大事な場所になっているのです。

 

この地図でなにができるの?

せっかく作った地図ですが、どんなことに使えるのでしょうか?

いくつかしょうかいします。

 

生き物(さが)しに使ってみよう

この地図の線がたくさんあるところとない所でどれだけ見られる生き物の数や種類(しゅるい)にちがいがあるかを調べてみましょう。

夏休みの自由研究にもってこい⁉

 

他のまちとくらべる

この地図が作られているまちはまだまだ少ないですが、他のまちでも作られるようになると、そのまちごとに見くらべてどんなちがいがあるかを調べることに役に立ちます。

 

線が少ない所に緑地をつくる

この地図を使うと、どこに公園などの緑地をつくれば生き物の移動(いどう)に役立つかを調べることができます。

 

 

さいごに

この研究の結果(けっか)森から町、そして海まで、生きものが移動(いどう)できる可能性(かのうせい)があることが分かりました。

また、この地図を使って、生き物のことを考えた開発や生き物をまもるための取り組みができそうです。

他にもたくさんできることはありますが、書ききれないのでこのくらいにしておきましょう。

みなさんも「これだ!」という使い方を思いついたらぜひ教えてくださいね!

 

この実験(じっけん)のくわしい結果(けっか)や、実際(じっさい)の地図は、こちらのページで見ることができます
堺市の生息地ポテンシャルマップについて(サンリット・シードリングス)】

環境局 環境保全部 環境共生課

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