堺に暮らす水辺のいきものたち~魚希少種編①~
はじめに
わたしたちの暮らしのまわりには、古くから農業を支えてきたため池、まちを流れる川、田んぼやそのための水路が多くあります。
これらの水辺は、人々の生活に役立つだけではなく、実は多くの生き物たちが暮らしているのです。
堺の水辺には、昔からひっそりと暮らしてきた在来種から、環境変化や人の手によってもたらされた外来種まで、さまざまな生き物が息づいています。
このコーナーでは、わたしたちの堺に昔から暮らす水辺の生き物たちを紹介しますので、小さな体でたくましく生きる彼らの”ひみつ”や、守っていきたい自然のひとつを、のぞいてみましょう。
記念すべき第1弾として今回は、「カワバタモロコ」について紹介します。
プロフィール紹介

【名 前】
カワバタモロコ
【学 名】
Hemigrammocypris neglectus
【分 類】
コイ目コイ科
【体 長】
3~5cmくらい
【特 徴】
① ずんぐりした体つき
② 口ひげはなく、しゃくれ顔
③ 銀色で、体の横に暗い青色の線が入る
【解 説】
・近い未来、絶滅してしまうだろう生き物とされていて、今ではとてもめずらしい淡水の魚
・水のながれがほとんどない、水生植物が多く生える場所がだいすき。
・5~7月ごろに卵を産みますが、この時に見られるオスの婚姻色から、カワバタモロコは”黄金の魚”とも呼ばれています。
婚姻色ってなに?
婚姻色とは、動物が卵や赤ちゃんを産もうとする繁殖期になると現れる、特別な体の色やもようのこと。
多くの生き物で現れ、特にオスに現れることが多く、これで相手にアピールします。
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カワウ(通常色)
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カワウ(婚姻色)※1
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ニホントカゲ(通常色)
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ニホントカゲ(婚姻色)※2
※1 あたまやこしが白色になります。
※2 あごやのど、おなかなどの赤さが濃くなります。
カワバタモロコの婚姻色
繁殖期になると、カワバタモロコのオスはきれいな黄金の体へと大変身!
”キンギョよりも金色にかがやく魚”として知られていました。
堺市では、南部丘陵の限られた場所での生息が確認されているだけ…。なかなか見ることができないすがたです。
実は、スタッフの私も実際にまだ見たことはありません…。見てみたいなぁ…。
なぜ減っている?
カワバタモロコといった生き物が数を減らしてしまう理由は、大きく2つあります。
① 生息環境の変化
カワバタモロコは流れのゆるやかな川岸やため池などの浅場に生える水草などにいっぱい卵を産みつける習性があります。
川や池の護岸工事がすすんだことで、カワバタモロコの卵を産む場所や、産まれたとしても赤ちゃんが育つ場所がなくなってしまったことで、数が減ったと言われています。
たとえば、写真のような場所では、カワバタモロコは生きていけません…。
護岸工事はわたしたちの生活を守るためにとても大切ですが、その環境に暮らす生き物にはよくないこともあるため、人と自然、どちらにもやさしい環境づくりが大切です。
② 外来生物の侵入
人の手によってもたらされたブルーギルやブラックバス、アメリカザリガニなどは、エサとして小さいお魚を食べてしまいます。
カワバタモロコは体が小さいので、かれらが来ると、食べつくされてしまいます。
また、人の手によって入ってきたスジエビの仲間が増えた場所で、カワバタモロコの数が大きく減ったことや、いなくなってしまったということも確認されています。
生き物を人の手で移動させることは、そこで暮らしてきた生き物たちのバランスをこわしてしまうことにもなるため、むやみに持ち運んだり逃がしたりしないよう注意しましょう。
守っていくには
カワバタモロコを絶滅させないために、いろんなところでカワバタモロコを守る活動が行われています。
たとえば、動物園や水族館など、あんぜんな場所で生き物を守り、それらを増やすこともひとつです。
堺市では、「堺自然ふれあいの森」がカワバタモロコを守る活動のひとつとして、平成21年度に南区の小学校が繁殖させたカワバタモロコを、園内の池に放流しました。
次の年にカワバタモロコは生きていて、23年度には数が増えていることが分かり、24年度の調査では1000匹以上に増えているだろうという結果になりました。
わたしたちひとりひとりが自然に目を向け、みんなで守っていくことがとても大切です。
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おわりに
いかがでしたでしょうか。
わたしたちの堺には、とても大切なお魚が生きています。
生き物とふれあい、何かを感じ取とっていただけるよう、わたしたちスタッフもいろんな活動に取り組んでいきたいと思います。
次回からは、堺市に暮らすめずらしい生き物を中心にどんな水辺に行けば出会えるか、実際にスタッフの私が調査し、そしてそこではどんな問題が起こっているのか、紹介していきたいと思います。
次は江戸時代から知られる、少しひげをたくわえた、にょろにょろ姿のあのお魚を紹介予定です。
作成:ヨナヨナスイロウロツキ
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