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堺自然ふれあいの森の生物多様性に関する取り組み

堺自然ふれあいの森・指定管理者
株式会社生態計画研究所 主任研究員 木下裕美子

堺自然ふれあいの森は、平成25年に「堺市緑の基本計画」で策定された、緑のシンボルエリアの1つである「南部丘陵」に位置します。市民協働により豊かな自然環境や多様な生きものの生息空間を保全し、「森の学校」として自然とのふれあいや里山文化を伝承する場として、平成18年4月に開園しました。ふれあいの森の敷地面積は17.2ha。約70%は傾斜地で、コナラやリョウブなどの落葉広葉樹とシリブカガシやアラカシ等の常緑広葉樹の混交林となっており、残りの約30%は復元した農地やため池です。また、園内には石津川水系の水源の1つがあり、大阪湾の豊かな生態系を支える一端を担っています。

かつて南部丘陵一帯は、薪や落ち葉を得るために人が入り維持管理されていましたが、石油や石炭などの化石燃料が普及すると薪や炭の需要が減ったため、森は長年放棄され、常緑樹を中心とした森へと推移しました。当施設ではかつてこの地に広がっていた里山の風景を復元し維持するため、毎年秋に「森の整備計画」を策定し、極力機械を使わず、人の手によって整備しています。森の整備に当たっては、区画を決め区画ごとの目的に応じて間伐や下草刈り等の作業を行い、多様な自然環境を創出し、多様な生きものが生息できる空間作りを目指しています。その結果、堺市レッドリストに掲載されているカワバタモロコ(Aランク)、ゴイシシジミ(Aランク)、カヤネズミ(Bランク)、トノサマガエル(Bランク)等の生きものを始め、多種多様な生きものが暮らす森へと変化しました。

それら貴重種や希少動植物については、生息環境を保全するための維持管理作業に取り組んでいます。例えば、カワバタモロコは全国的に著しく減少し、堺市内では南部丘陵での生息が僅かに確認されているだけとなっています。平成21年度に近隣の小学校が増殖させた本種を園内の池に保護を目的に放流し、翌年には個体の生息を、23年度には繁殖を確認し、24年度の調査では推定1000匹以上に繁殖していることが確認できました。また、カヤネズミは生息環境であるススキを移植し、ススキ草原を増やして営巣できる環境を維持しています。

当園では「森の学校」としてこの環境を活用し、乳幼児から高齢者まで幅広い年代の方が、それぞれの目的、興味に応じて、自然とふれあえる場を提供しています。また、小学校の受入れや教員対象の研修会を開催することにより、実体験できる環境学習の場としての役割も担っています。多くの市民の方が自然とふれあい、森の遷移や里山と人との関係、生物多様性など、環境について学べる森として、引き続き市民と共に取り組みます

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